とても幅の広いテーマで書き出したものですから、輸入住宅の基本を考えるだけでもいろんな切り口で語りつくせそうですが、あまりとんでもない方向に行ってもなんですから、とりあえず今回でひとまず区切りをつけようかと思いつつ、価格的考察を少し浅めに。。。
輸入住宅のちょっとしたブームのようなものを感じたのは、1994年~96年くらいかなぁ?と思います。もちろん、もっと以前に着々と海外から素敵な住宅を日本の住宅市場に!という方も沢山おられたのでは承知していますが、ブームとしての本格的到来というのは、この時期ではなかったかと思います。
ちょうどこの頃は、日本の住宅価格が海外の、特に北米の住宅価格と国内の住宅価格を比較した時に、かなり高額(2倍近い価格)で供給されている。この内外価格差を何とかしよう、という意味合いや旧通産省の輸入障壁を改善するという旗頭の元建材の輸入などが盛んに行われるようになった時期です。
時を同じくして、1995年の春には1ドル=70円台突入という、今から思えば信じられないくらいの超円高にもなり、いろんな時代の後押しで、輸入住宅・建材輸入の乱ブームのような状態ではなかったでしょうか。
その時、やはり多く語られ、ある意味誤解も生んだのが「輸入住宅は安い」というシンプルなイメージです。
“安い”というのは決して陳腐というこではなく,ココで言う“安い”というのは、元来、輸入住宅の持つ豪華で流麗な住宅が、リーズナブルな価格で、限りなく海外と同じ現地平価で建てることができる、という希望的観測でした。
そもそも、住宅に限らずそれぞれのモノの価値は、原材料や製造過程での時間的コストが積み上げられて、そして、それが売価という価値の一部に転化されるわけですから、輸入住宅で言えば使用される建材のグレードや、建築現場までに運ばれる物流コスト、そしてそれらを取り付ける施工手間というのが加味されるわけで、他の住宅とは違った、輸入住宅という建物の特殊性を考慮できなかった人たちは、大きな失望を感じるものとなりました。
当然ながら一部では、事業そのものを採算ベースに乗せるために、チープな建材でチープな施工業者がチープな住宅しか供給しない状況も生まれるわけで、場合によれば「輸入住宅そのものが安いけど、安いなりの建物」という、負のイメージ(安からかろう、悪かろう)を植えつけることにもなったような気がします。
当たり前のようなことですが、価値の高い建物は、仕様プランや建材のグレード、あるいは工期、その他すべて条件の積み重ねの結果ですから、逆を言えば全ての分野で情報をうまく収集し建築計画を練ったら、コスト的にも財産価値としても素晴らしい成果が生まれるということになります。
国内で言うところの、輸入住宅という建物も、それなりの苦難の時期もあったわけですから、これからも色んなアイデアや情報を頂戴して、夢を叶えないといけませんよね。