●政府の「200年住宅構想」について想う。その1
先日、以下のようなニュースが目に飛び込んできて、自分なりに改めて考えてみると幾つかのことが浮かんできたので、関連してエントリー。
【自民・住宅土地調査会が提言】自民党の住宅土地調査会(会長=福田康夫・元官房長官)は31日、建て替えずに長期間住み続けられる住宅の普及を目指す提言「200年住宅ビジョン」を発表した。
「いいものをつくって、きちんと手入れして、長く大切に使う社会への転換が急務だ」と指摘し、「200年持つ住宅」の普及を唱えている。具体的には、〈1〉住宅の維持・管理に関するガイドライン(指針)の策定〈2〉リフォームや点検の履歴を記した「家歴書」を整備して中古住宅の流通を促進〈3〉リフォーム物件を購入する際の消費税の軽減――などの措置を挙げている。
福田氏は同日、塩崎官房長官を首相官邸に訪ねて提言を手渡し、「政府の大きな指針の一つにしてほしい」と要請した。党の参院選公約にも盛り込む予定だ。
日本の中古住宅については、過去にも海外の中古住宅市場との比較論でこのブログでもいくつか取り上げてきましたが、相対的に語られる内容としては、新築着工数やその取引量と比較して中古市場の取引量が、欧米の先進国と比較して圧倒的に低いということですね。
この事自体を取り上げて、我が国の住宅の耐久年数が欧米より低いと、単純に断言できるわけではありませんし、また在来工法と2x4工法を代表とする欧米の建築工法の強度の違いを明確化するものでは有りません。むしろ、日本各地に現存する古い寺社仏閣をみれば、世界中を見渡しても屈指の構造躯体(特に木造建築において)と評価されるのでしょう。
中古住宅の活性化という視点でみれば、住宅構造など、その住宅が持つ特定要素と共に、もうひとつ重要な条件としてその家が建つロケーションということになるでしょう。すなわち、不動産の価値というものは、言うまでもなく"建物"と"立地"という2大要素で比較検討されることになります。先日、高級住宅地で名高い兵庫県芦屋市でも相次いで市の条例が可決されましたが、それらのほとんどが、"芦屋市"という地域ブランドを守るための内容でした。
高級住宅地のみならず、都心や田舎暮らし、あるいはリゾート地周辺等と「何処に住むか?」と言うテーマは、年齢やその時々の家族構成の変化、収入の見込み、そして仕事環境に大きく左右されます。それらは、日本でも欧米の諸外国であっても変わりはありませんが、「簡単に移動する」ということに抵抗感が少ないのは欧米の人たちなのでしょう。
そして、もうひとつ彼らとの違いで感じるのが、自身の生涯を通じてのファイナンス計画に、住宅や不動産というものが明確な主たる要素として認識されているということが、大きなポイントではないかと感じます。将来的に今住んでいる家が、どのような新しい価値を生むのか?あるいは、古くなった家でもどのようにしたらまったく新しい価値を付加することができるのか?というような感覚が、少し希薄な気がしますよね。
~この項、続く~
【Discovery Credit】
FujiSankei Business i. on the Web
Sankei WEB